エトナ山に登るぞ。

 さて、シチリアに来て2週間ぐらい経った。毎日、授業の合間にこのエトナ山を見ていると、登らなければなるまい、という思いがふつふつと湧いてくる。夏でも山頂は摂氏2度と聞いた。防寒着は用意している。途中までケーブルカーもあるそうだが、油断大敵。

 不安とワクワク感が心地よい。

 標高3330メートルとか、3326メートルとか、出典によってエトナ山の標高は定まらない。噴火でたびたび高さが変わるのだから、仕方がない。これまでに登った最高峰は、日本で2番目に高い南アルプスの北岳(3193メートル)。エトナ山はその上を行く。

 どうしたら登れるか。アテンドしてくれるサイトを見つけて、頼んだ。だが、答えは失望させるものだった。タオルミーナの街角の旅行会社も、ピークを目指すツアーは組んでいなかった。さて、どうするものか。夜のエトナに、三日月も首を捻っているみたいに見えた。

定年後、荒野をめざす

五木寛之の「青年は荒野をめざす」に感化され、22歳の春、旅に出た。パキスタン航空の格安チケットを手に入れ、カリマーのアタックザックひとつでアジア、ヨーロッパをさすらった。そして再び、旅心に囚われ、36年間勤めた新聞社を辞め、旅に出る。(中村 正憲)

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