プーリアの9日間、割愛

 シチリアから、プーリアという南イタリアの端っこから端っこへの移動(上の写真)は、列車を3本乗り継ぎ、16時間かかった。日本で例えるなら、四国の室戸岬から、鹿児島の大隅半島へ行くようなイメージか。車窓からビルを見ることはほとんどない。茶色や白い壁の家々、オリーブ畑、麦畑、ブドウ畑で9割は占められているというのが実感だ。

 乗り換えの駅にもほとんど人影はない。日本の新幹線に当たるフレッチャロッサは、車内のデザインがオシャレで、シートがくつろげる。だが、格下のインターシティとなると、往々にして窓が拭かれた形跡がない。
シチリアの旅を終えると、5月24日から6月1日まで、「LCIイタリアカルチャースタジオ」(東京•吉祥寺)が主催する「エノガストロノミアの旅(プーリア州)」に参加した。一行は10人。LCIが主催したイタリアワインソムリエ講座を受講し、その資格を取った人や、イタリア郷土料理の講座に通う人たちで構成されている。僕にとっては初めての団体旅行だった。

その種の旅に、苦手意識があったのだが、今回は気さくな人たちばかりで、万事がうまくいった。何より多種多様な料理を楽しめるのが、グループ旅の最大の利点だと思い知った。年を重ねてからの一人旅は、料理一品で満腹状態となり、垂涎のまま、トラットリアを後にすることになる。

プーリアの9日間は、密なスケジュールだったため、執筆時間がなく、チーズ工房の話しか書けなかった。そのうち思い出して、書き残したい。ここは、割愛して、舞台はナポリへと飛ぶ。

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五木寛之の「青年は荒野をめざす」に感化され、22歳の春、旅に出た。パキスタン航空の格安チケットを手に入れ、カリマーのアタックザックひとつでアジア、ヨーロッパをさすらった。そして再び、旅心に囚われ、36年間勤めた新聞社を辞め、旅に出る。(中村 正憲)