定年後、荒野をめざす

五木寛之の「青年は荒野をめざす」に感化され、22歳の春、旅に出た。パキスタン航空の格安チケットを手に入れ、カリマーのアタックザックひとつでアジア、ヨーロッパをさすらった。そして再び、旅心に囚われ、36年間勤めた新聞社を辞め、旅に出る。(中村 正憲)

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イタリア異聞

2024.06.19 20:52

◾️6階の宿の部屋に行こうとボタンを押しても、エレベーターが動かない。昨日の日曜日は動いたはずなのに。よく見ると、平日の時間帯によって5cent払えと、出ている。どこまでせこいか、ナポリの宿は。

矛盾する二つの旗

2024.06.19 07:15

ミュンヘンの中心、マリエン広場の新市庁舎に、ウクライナ国旗とイスラエル国旗が掲げてあった。6月17日午前11時、広場はその日にユーロ2024の試合がある大勢のルーマニアファンで埋め尽くされていた。彼らの歌うルーマニア応援歌の大音響より、この二つの国旗が気になって仕方がなかった。

村上春樹のローマ、そしてボローニャ

2024.06.17 06:44

「ローマは無数の死を吸いこんだ都市だ。ローマにはあらゆる時代の、あらゆるスタイルの死が満ち満ちている」一時期、ローマで暮らしていた村上春樹が、ある長編小説の初稿を書き上げた後、こんな文章を残している。1987年3月のことである。(『遠い太鼓』より)6月13日、ローマの中心にあるサ...

愛されるフェデリコ

2024.06.11 17:19

まもなく、サッカーのヨーロッパ王者を決める「ユーロ2024」が、ドイツの各都市で始まる。4年前の覇者はイタリアだった。その立役者、背番号14のフェデリコ•キエーザ(ユベントス)は、90分間、汗をかき続ける全力プレーが持ち味だ。前回のユーロを見て、すぐさまファンになってしまった。イ...

ナポリの宿、鍵を開けられるかが鍵

2024.06.09 08:58

 知らない土地に行くと、必ずすることは、まず宿探しだった。その町の駅に着くと、必ずツーリストインフォメーションがあり、そこで市街地図をもらった。無料だった。大体、ホテルの名前が載っていた。町をぶらつき、目星をつけたホテルに入り、フロントで「how much per night?」...

フォッジアの少年少女

2024.06.06 08:20

↑ インターシティの列車は、プーリア州の州都バーリを、午前7時5分に発車する

歯ブラシとナストロビール

2024.06.04 02:51

 前回、「ナポリへと飛ぶ」と書いた。その舌の根も乾かないうちに、プーリアで書き残したことを思い出した。 舞台はバーリ、プーリア州の州都である。6月1日夜、10人のグループ旅行の一行と別れ、バーリ中央駅近くのホテルに泊まった。他の面々は、バーリ空港から帰国の途についた。飽食の9日間...

プーリアの9日間、割愛

2024.06.04 01:25

 シチリアから、プーリアという南イタリアの端っこから端っこへの移動(上の写真)は、列車を3本乗り継ぎ、16時間かかった。日本で例えるなら、四国の室戸岬から、鹿児島の大隅半島へ行くようなイメージか。車窓からビルを見ることはほとんどない。茶色や白い壁の家々、オリーブ畑、麦畑、ブドウ畑...

芸術的モッツァレラ

2024.06.03 08:34

チーズが作られる現場を初めて見た。牛乳を原料とするモッツァレラチーズの工程は、あっけなく単純だ。カザーロと呼ばれるチーズ職人、アンジェロさんの手さばきにのめり込んだ。これはアーティストだ。5月31日、イタリアのかかとに位置するプーリア州ロコロトンド近郊の小さな工場「サラティーノ」...

再訪タオルミーナ

2024.05.25 10:10

 時間を少し遡る。 5月22日、標高200メートルの崖の上の町、タオルミーナを訪れた。1年9ヵ月前、ここのイタリア語学校「バビロニア」に通っていた。それが、この写真の場所だ。レストランが併設された学校で、後方に見えるのが教室である。多い時は、世界各国から約80人の生徒が集う。ただ...

列車、船に乗る

2024.05.24 08:03

「Intercity notte 1960」というシラクーザ発ローマ行きの寝台列車は、シチリア島の北端、メッシーナ港に着くと、まったく動かなくなってしまった。5月24日の午前0時をすぎている。睡魔が襲うが、列車が船に乗る様子は見てみたい。やがて、4両編成のミッドナイトエクスプレス...

寝台列車に乗った

2024.05.23 21:15

 シチリアで最も古い街、シラクーザの駅で寝台列車に乗った。ここは終着駅であり、始発駅である。現在、5月23日21時32分。13分後に出発するはずだ。 長旅になる。これから、1070キロを鉄道で移動する。乗り換え2回、プーリア州のレッツェを目指す。まずは、ナポリの近くのサレルノまで...

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五木寛之の「青年は荒野をめざす」に感化され、22歳の春、旅に出た。パキスタン航空の格安チケットを手に入れ、カリマーのアタックザックひとつでアジア、ヨーロッパをさすらった。そして再び、旅心に囚われ、36年間勤めた新聞社を辞め、旅に出る。(中村 正憲)

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