イタリア異聞2024.06.19 20:52◾️6階の宿の部屋に行こうとボタンを押しても、エレベーターが動かない。昨日の日曜日は動いたはずなのに。よく見ると、平日の時間帯によって5cent払えと、出ている。どこまでせこいか、ナポリの宿は。
矛盾する二つの旗2024.06.19 07:15ミュンヘンの中心、マリエン広場の新市庁舎に、ウクライナ国旗とイスラエル国旗が掲げてあった。6月17日午前11時、広場はその日にユーロ2024の試合がある大勢のルーマニアファンで埋め尽くされていた。彼らの歌うルーマニア応援歌の大音響より、この二つの国旗が気になって仕方がなかった。
村上春樹のローマ、そしてボローニャ2024.06.17 06:44「ローマは無数の死を吸いこんだ都市だ。ローマにはあらゆる時代の、あらゆるスタイルの死が満ち満ちている」一時期、ローマで暮らしていた村上春樹が、ある長編小説の初稿を書き上げた後、こんな文章を残している。1987年3月のことである。(『遠い太鼓』より)6月13日、ローマの中心にあるサ...
愛されるフェデリコ2024.06.11 17:19まもなく、サッカーのヨーロッパ王者を決める「ユーロ2024」が、ドイツの各都市で始まる。4年前の覇者はイタリアだった。その立役者、背番号14のフェデリコ•キエーザ(ユベントス)は、90分間、汗をかき続ける全力プレーが持ち味だ。前回のユーロを見て、すぐさまファンになってしまった。イ...
ナポリの宿、鍵を開けられるかが鍵2024.06.09 08:58 知らない土地に行くと、必ずすることは、まず宿探しだった。その町の駅に着くと、必ずツーリストインフォメーションがあり、そこで市街地図をもらった。無料だった。大体、ホテルの名前が載っていた。町をぶらつき、目星をつけたホテルに入り、フロントで「how much per night?」...
歯ブラシとナストロビール2024.06.04 02:51 前回、「ナポリへと飛ぶ」と書いた。その舌の根も乾かないうちに、プーリアで書き残したことを思い出した。 舞台はバーリ、プーリア州の州都である。6月1日夜、10人のグループ旅行の一行と別れ、バーリ中央駅近くのホテルに泊まった。他の面々は、バーリ空港から帰国の途についた。飽食の9日間...
プーリアの9日間、割愛2024.06.04 01:25 シチリアから、プーリアという南イタリアの端っこから端っこへの移動(上の写真)は、列車を3本乗り継ぎ、16時間かかった。日本で例えるなら、四国の室戸岬から、鹿児島の大隅半島へ行くようなイメージか。車窓からビルを見ることはほとんどない。茶色や白い壁の家々、オリーブ畑、麦畑、ブドウ畑...
芸術的モッツァレラ2024.06.03 08:34チーズが作られる現場を初めて見た。牛乳を原料とするモッツァレラチーズの工程は、あっけなく単純だ。カザーロと呼ばれるチーズ職人、アンジェロさんの手さばきにのめり込んだ。これはアーティストだ。5月31日、イタリアのかかとに位置するプーリア州ロコロトンド近郊の小さな工場「サラティーノ」...
再訪タオルミーナ2024.05.25 10:10 時間を少し遡る。 5月22日、標高200メートルの崖の上の町、タオルミーナを訪れた。1年9ヵ月前、ここのイタリア語学校「バビロニア」に通っていた。それが、この写真の場所だ。レストランが併設された学校で、後方に見えるのが教室である。多い時は、世界各国から約80人の生徒が集う。ただ...
列車、船に乗る2024.05.24 08:03「Intercity notte 1960」というシラクーザ発ローマ行きの寝台列車は、シチリア島の北端、メッシーナ港に着くと、まったく動かなくなってしまった。5月24日の午前0時をすぎている。睡魔が襲うが、列車が船に乗る様子は見てみたい。やがて、4両編成のミッドナイトエクスプレス...
寝台列車に乗った2024.05.23 21:15 シチリアで最も古い街、シラクーザの駅で寝台列車に乗った。ここは終着駅であり、始発駅である。現在、5月23日21時32分。13分後に出発するはずだ。 長旅になる。これから、1070キロを鉄道で移動する。乗り換え2回、プーリア州のレッツェを目指す。まずは、ナポリの近くのサレルノまで...