もしも旅券を失くしたら 後編2019.07.18 05:07 首都ウランバートルでは、ナーダムが始まった。京都の祇園祭さながらに、目抜き通りを様々な民族衣装の人たちが行進していく。この日は前夜祭の宵山みたいなものだった。
もしも旅券を失くしたら 中編2019.07.17 04:24 帰国の朝、ウランバートルでパスポートを失くした。空港でも見つからず、乗るはずの飛行機をあきらめ、ホテルに帰ることにした。 街は、明日(11日)から始まるモンゴルの夏の祭典「ナーダム」の看板であふれていた。この期間、ホテルは満室、飛行機は満席、15日まで全て...
もしも旅券を失くしたら 前編2019.07.16 04:38 日本には帰れません。 言葉が通じない国でパスポートを失くし、早く帰りたいと思うなら、「帰国のための渡航書」(帰国時だけに使用可能)か、本当の「パスポート」を再発行してもらうかどちらかです。 最初にすることは三つ。1 探すのをあきらめる(これが...
モンゴル五景2019.07.16 00:13 ●ノモンハンの近くの草原で休んでいると、浅黒い顔の親父が馬に乗ってやって来た。どうだ、乗らないか、と手綱を渡そうとする。少し躊躇すると、馬頭琴奏者のアマルバヤルさんが颯爽と飛び乗り、あっと言う間に駆け出した。 男ながら惚れ惚れしてしまった。カッコいいモン...
遥かなるハルハ河 1 80年前の死闘2019.07.15 05:23 ハルハ河は中国を源流にして、モンゴルのボイル湖に流れ込む。全長400キロのうち、モンゴル側を290キロ流れる。80年前、満州とモンゴルの国境がこの付近にあった。
遥かなるハルハ河 5 茫漠の荒野2019.07.13 02:06=ノモンハン戦争の平和慰霊碑前に立つモンゴル国文化大使の佐藤紀子さん。慰霊碑は彼女の尽力で18年前に現地に建立。刀の背を向けたデザインで、日本、モンゴル、ロシア3カ国の平和を祈る。
遥かなるハルハ河 4 バルガ族2019.07.11 09:10 ノモンハン戦争が終わった1939年の11月28日から3日間、勝利したソ連とモンゴルは、国境を開き、モンゴル人の帰還を認めた。 1966年生まれのトゥメンさんは、日本・満州軍と一緒に戦ったバルガ族と呼ばれる民族だ。トゥメンさんの母親の兄は、激戦地から生還し...
遥かなるハルハ河 3 錆びた残骸2019.07.10 14:26 これが事件現場と言えるだろうか? 私たちはノモンハン事件と教えられた。だが、その現場には、回収されない重装甲車や撃ち落とされた戦闘機の残骸が今も残っている。これは明らかな戦場である。 この国の為政者にまんまと「事件」という言葉で騙されてきた。...
遥かなるハルハ河 2 悪路12時間2019.07.06 09:52 モンゴルの国内線フンヌエアのプロペラ機は、7月6日午後4時、チンギス・ハーン国際空港を離陸した。晴れて暑い。ウランバートルの街が砂塵で霞んでいる。 西へ660キロ、チョイバルサン空港に1時間半で着いた。モンゴル最東端の空港である。つまり、ノモンハン戦争の現場...
地平線のさそり座2019.07.06 00:40 4日深夜、砂漠で1時間ほど寝た。月のない闇夜であるはずが、なんという明るさか。 星の密度が濃い。例えば、北極星の周りは意外に星が希薄だ。独立峰のように輝くこの二等星の周りに、こんなにたくさん星があったのかと驚いた。 日本にいると、地上近くの星...
蜃気楼、そして砂嵐2019.07.05 01:49 ウランバートルから南へ1時間半ほど飛ぶと、そこは砂漠だ。ゴルバンサイハン空港がゴビへの玄関口に当たる。 そこから西へ車で向かった。草原に幾筋も伸びる轍を頼りに、運転手はトヨタのワゴン車を飛ばした。 中国国境のある南に山脈が連なるが、そのほかの三方...
再びの旅立ち2019.07.02 23:43 先日、勤めていた会社近くで社会部の後輩記者に偶然会った。 「ブログがローマで終わったままです。どこで何してたんですか」と聞かれた。 帯状疱疹やら何やらと、ガタが来た身体のチューンナップをした。そして、職安に通った。いまはハローワークという。パソコンで様々...